製造業界で活躍するAI事例をピックアップ!

スマート工場

テレビでスポーツの試合を観ていると、競技場には選手と監督しかいません。審判がどこにも見当たらないのに、それでも競技は続行されています。いつの日か、スポーツの審判がコートからいなくなってしまう日がきます。なぜなら、AIによる画像解析によって、反則かどうか正確な判定がなされるからです。
このように、今後10年の内(予想では2020〜30年)までに消えてしまう職業リストというものが発表され、オックスフォード大学が認定した論文が世界を騒がしています。コンピューターや人工知能の躍進で、人間の仕事が機械に取って代わるのです。すさまじい勢いでコンピューターの技術革新が進行する中で、学習能力のあるAI(人工知能)や、ロボットが人間と対等の立場にいつか立つのでしょうか?

世界で初めて機械が導入されたことで18世紀に産業革命が起こり、人々の生活はガラリと変わりました。今も同じように、世界が変わりつつあるのです。業界ごとにAIの活動状況の様相は異なりますが、今回は製造業界で活躍するAIの事例をピックアップして紹介します。

FUJITSUのものづくりAIフレームワークはお客様のニーズに寄与

ものづくり
【出典】https://twitter.com/FujitsuOfficial

FUJITSUはクライアントのものづくりを支援するため、設計、生産現場でAI技術を活用するための専門のコンサルティングサービスを2016年より開始しました。FUJITSUのAI技術である「Human Centric AI Zinrai(ジンライ)」を実装として、スマートなものづくりを実現させるためのプラットフォームを提供しています。AIは設計、生産現場での業務プロセスを継続的に学習させることで、顧客のニーズや製品特性のデータを収集し、選別、精度向上のチューニングを行います。
これにより、生産性は飛躍的に向上しました。例えば工場生産のネジの3Dモデル検索において、AI活用により検索精度が従来の結果から1.5倍に上がり、96%の高精度を誇ったのです。商品の設計検討の時間短縮や、生産ラインでの効率化が可能になります。使用すればするほどAIが成長するため、ものづくりの精度が革新していくのです。

米国GE・アビエーションはものづくりから快適なサービスへと転身

飛行機
【出典】https://gereports.jp/southwest-save-100million/

GE・アビエーションは、アメリカ合衆国にある世界最大の航空エンジンメーカーになります。GEでは従来のコンセプトとして「高性能のエンジンを造って売る」といった発想から、「効率の良い快適な運航をサポートするサービス」といった、ビジネスモデルにチェンジすべく、エンジンの燃費、状態、これまでに蓄積された膨大な飛行データーといった、航空機の運航に関わるすべてのデータを計量しました。

その集めた大量のデータの相関関係や結果を人工知能で解析することで、データを基に導かれた低燃費で快適なフライトや、故障なしの理想的な運航の実現を目指しています。また、飛行機のフライトだけではなく、その構築したデータ解析の基盤である「Predix」を用いることで、風力発電や鉄道など自他業ともに提供し、よりよい未来とサービス向上のために広く活躍しているのです。

ドイツの狙うは国家規模の製造革命

スマート工場
【出典】https://www.siemens.com/global/en/home/products/automation.html

ドイツの「Siemens(シーメンス)」は、ミュンヘンに本社がある多国籍企業になります。国家規模で構想されている製造業革命「Industry 4.0」は、政府推進の戦略プロジェクトであり、製造業の高度化を目指しています。成熟が進んでしまった工業を再活性化させるため、IoTを基盤に「考える(スマート)工場」の実現と提供を行っているのです。ネットに繫げられた工場の生産ラインと、クラウドに集約されているデータを人工知能が解析することで、効果的で柔軟な生産を実現していく、まるで生きた工場が提供されるのです。

カスタムメイドの品を低コストで量産できだけでなく、クラウドにデータが集約されるため、サプライチェーン全体のサポートができる構想になっています。設計、物流、販売までが最適化されるため、コストと時間のロスが省かれるのです。

ディープランニングを取り入れた産業ロボットの活躍

AI
【出典】https://www.abeja.asia/o2o/leading-edge-technology/ai-leading-edge-technology/deepleaning/post-8563/

産業ロボットを提供している「FANUC」は、日本のベンチャー企業である「Preferred Networks」やアメリカの「CISCO」といった、複数の企業との協力を得て、「ディープランニング」の導入を構想しています。ディーププランニングは、深層学習の意味を持ちます。そのため、将棋やチェスの人工知能と人間による一騎打ちで、学習を積んだ人工知能に人間が敗れる事があるのです。ディープランニングのAIによる制御が織り込まれた産業ロボットシステムの稼働により、工業のサーバ郡(フォグ)にデータを集約して解析することができます。

これにより、リアルタイムな設備制御が行えます。各ロボットや生産設備はネットワーク上で繋がって処理されますが、工場内に設置されたフォグ内の処理になるため、解析スピードは早くなります。またフォグはクラウドとは独立して存在しているため、外部接触が少なくセキュリティ面での信頼性が高い事も特徴になります。

世界のトヨタがAIカーを誕生させた

TOYOTA Concept-愛i
【出典】http://www.itmedia.co.jp/business/articles/1701/05/news068.html

トヨタはアメリカで人工知能の研究所を設立し、ギル・プラット氏という元DARPAの人工知能やロボティクス分野の第一人者をCEOとして招きました。
AI分野において39億円を投じ、人工知能を活用した材料開発に力を注ぐ計画を進めています。2017年の1月にはAI搭載の「TOYOTA Concept-愛i(コンセプト・アイ)」が、ラスベガスの家電見本市である「CES2017」に登場し、今後も実験を重ねて商品化へとつなぐと発表されました。
この車はドライバーの人間性を理解し、体調を分析して、運転パートナーとしてドライブをサポートする機能が備わっています。具体的には、ドライバーが緊張している時は落ち着かせるために芳香剤の噴霧や、暖色系の光に切り替えるなど、リラックスさせる効果などが期待されます。
すでに、実用化へ向けて着々と開発を進めている段階です。AI商品をAI制御の生産ラインで製造していく過程が実現され、トヨタはこれからもAI技術の先駆者として走り続けていくことでしょう。

「SOINN」の登場によりロボットが学習していく

頭脳
【出典】http://newswitch.jp/p/7722

「SOINN ソイン」は東工大長谷川修によって開発された「人工脳」と呼ばれるものです。本来のコンピュータプログラムであれば、プログラミングを故意に人間が書き換えないかぎり、コンピューターのスペックは上がることはありません。
しかし、ソインはデータを与えておくと、自ら学習して育っていく人工知能になります。まさに、人間の赤ちゃんと同じように自分で学習して学んでいくのです。そのため、製造業を始め、あらゆる分野の業界がソインの導入を検討しています。
例えば検品において、ある程度の製品の傷検査のデータをカメラとリンクして検査させていきます。すると、ソインは自動で製造過程の検査を学んでいき、難しい検品判断は、熟練者の人間に聞いて確認をします。人間がチェックしなくとも不良品を見分けていくと、その不良品の傷の等級も精査できるほど精密度が上がっていきます。
人と一緒に作業していくことが可能なので、ディープランニングとはまた違ったものなのです。実際に製造業で使用され、効果が出ています。のちのちは物流、メンテナンス、食品業と幅広い分野で活躍が見込まれています。

MUJINで無人の製造工場が生まれるとき

ピックワーカー
【出典】https://www.glassdoor.com/Photos/Mujin-Office-Photos-IMG930363.htm

「産業用ロボットをより知能的に、より使いやすく」を掲げる株式会社MUJINは、創立年が2011年という真新しい会社にも関わらず、ソフトバンクやアップルと肩を並べて人工知能業界に名を連ねています。産業ロボット技術にAIを活用し、多くの制御装置を開発している企業であります。MUJINのコントローラである「ピックワーカー」は、重労働になるコンベヤからの荷降ろしを自動的に行ってくれるため、従業員の労働が軽減されます。
またMUJINのピックワーカーは、様々なものに対応しており、細かいネジであっても画像解析でAIが判断し、人の手を借りずにピッキングすることが可能です。

いつの日か工場にはAIだけの管理になり、無人になってしまうのではないかと思わされるほど、有能な産業ロボットの数々をMUJINは提供しています。

AIロボットによるAmazonの完全なる自動化倉庫

amazon
【出典】https://thepage.jp/detail/20170630-00000009-wordleaf?pattern=1&utm_expid=90592221-74.59YB6KxJS6-oVPGhgabD7Q.1&utm_referrer=https%3A%2F%2Fwww.google.co.jp%2F

「Amazon」といえば、世界的なECサイトとしてその名を知らないものはいないです。通販をするならAmazonといえるほどネット通販や、それにともない物流界でも帝王に君臨しています。
そんなAmazonの次なる野望は、工場の完全なる自動化です。およそ22万人の従業員を抱えていますが、雇用を増やしていく一方で、従業員に取って代わるテクノロジーの開発にも力をいれています。Amazonの倉庫である「フルフィルメントセンター」では、すでに「Kiva」というロボットが導入されています。ピックされた商品が乗せられた棚を、出荷担当の従業員の元まで運んでいくのです。
プライムという有料サービスに加入すると、欲しい商品がその日のうちに届くサービスをうけることができます。そのサービスを実現させられているのは、ひとえに自動化によるものです。
ゆくゆく検討されているAI導入により、商品のピッキング作業もロボットが行うようになると、製造業にも波及し新たなAIロボットの開発へとつながります。ドローンによる配送も視野にいれているため、今後のAI産業の発展にAmazonが一役買っています。

AIによる目視検査で日本の製造業を強化する

AI
【出典】http://jpn.nec.com/profile/index.html

NECのラインナップに、次世代のものづくりを支えるソリューションとしてAIを活用した「AI Visual Inspection エーアイ・ビジュアル・インスペクション」、通称目視検査ソリューションを提供しています。最新技術の「RAPID機械学習技術」を用いて、X線を含んだ画像解析をもとに、ゴムや樹脂、金属といった製造ラインの高度な検査を実現させています。これにより従来の2倍の速さで検品が行われるとともに、品質の均一を図ることができるのです。
NECは日本の製造業の底力をあげることで、世界の強豪たちと争える基盤を作っています。イノベーションに惜しみなく貪欲な姿勢が革新の底力となり、いずれ日本の技術力の向上にもつながっていきます。

まとめ

AI
【出典URL】https://ferret-plus.com/6813

人工知能による技術革新は、製造業において生産力の向上を担っています。日本のGDPが下がったと問題視される中で、AI業界の躍進によって、他の業界も新風が巻き起こることでしょう。
そうなると、いずれ人間の仕事が完全に機械に取って代わる日が来てしまうかもしれません。映画のようにAIを搭載された人形ロボットが町中を往来し、一家に一台、お手伝いロボットが配給されるのかもしれません。
ホーキング博士が危惧するように、これからの未来に人工知能の危険というものも含まれているのでしょうが、人工知能によって人間の労働が減ることで、新しいクリエイティブな世界の可能性が開けます。
その先にどんな未来を描くのか、人工知能の発展とともに明るい未来を創造してきましょう。