SalesforceのAI「Einstein」はCRMを成長させる

セールスフォース
阪野 裕二
エンタープライズシステムでAIの利用価値が難しいというパブリックイメージに対し、SalesforceがEinstein AIをリリースして分析部分もプラットフォームに組み込みました。業務系のシステムでもAIの活用ができることを証明したということです。AIを組み込んだCRM系のパッケージが最近の流行です。業務システム系でもAIが必要とされていますので、AI未経験の業務システムエンジニアであってもそこで経験を積むことができるでしょう。

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参照画像:insightsquared.com

Salesforceは先ごろ、人工知能機能を搭載したEinsteinを公開、プラットフォームを利用するユーザーの顧客管理に非常に役立つと発表しました。機械学習、予測分析、自然言語処理もSalesforceのクラウドで実現可能になります。
企業向けソフトウェアに人工知能(AI)の搭載は不可能だという考える人も、その考えを変えざるを得ないでしょう。

人間の能力を模倣し自ら学習する可能性を秘めたAIは、既にあらゆる分野で結果を出してきてはいますが、特定のビジネスの目的だけに当てはめるのは簡単なことではありません。「AIは複雑であるため、多くの企業は手を出せませんでした」とSalesforceのゼネラルマネージャー、ジョン・ボール氏は記者会見で語りました。

Salesforceは、Einsteinでこれを覆すことを目標としています。「全てのお客様の為のAI」を提唱し、Einsteinの能力を全てのクラウドに導入し、機械学習、深層学習、予測分析、自然言語処理を各CRMプラットフォームに組み込む予定です。

例えば、Salesforceの営業支援・管理システム「Sales Cloud」では、機械学習の観点から、標準とカスタムフィールドの双方において、営業担当者からの活動データや行動データを収集し、関連するデータを分析するツールが新しく加えられました。リードソース、業界、職種、ウェブクリック、電子メールなどのシグナルから学習し、徐々にモデルが進化していく仕組みです。

またCRMのデータ分析を別のツールで行い、見込み顧客との電子メールのやりとりなどから購買意欲などを予測し、顧客の好む商品を提案するなど、販売プロセスの初期段階から営業担当者の商談をサポートします。

「Service Cloud」では、事例ごとに過去のやりとりや内容を踏まえて返答例をいくつかエージェントに提案するなど仕事効率化も目指しています。

自ら学習する能力が備わったEinsteinを利用することで、Salesforceのマーケティング、コマース、コミュニティ、分析、IoTやクラウド型 アプリケーション開発プラットフォーム「App Cloud」の全てがSalesforceのソーシャルネットワーク、電子メール、カレンダー、eコマース、ソーシャルデータストリームやIoTのシグナルなどの全データをレバレッジするよう機能します。バール氏は、「SalesforceによるMetaMind社の買収により、実現可能となりました。約175名のデータサイエンティストがこの構築に貢献しています」と述べています。

「どのベンダーも高品質なAI商品を開発するという挑戦状を投げつけられました」とBeagle Research Groupのデニス・ポムブリアント氏は語っています。ポムブリアント氏は「高品質なAIとは、その知識を簡単に操作できるものでなければなりません」とも発言しています。対顧客のアプリケーションであるEinsteinをはじめとした商品により、いわゆる”普通の人”のパフォーマンスを高めて、顧客により素晴らしいものを提供できるようになるでしょう。オートメーション化により雇用がなくなるのではなく、オートメーション化により新たな雇用が生み出されるのです。

Oracle、Microsoft、SAPなどのSalesforceの主な競争相手は、それぞれのAIプログラムを持っていて、中にはSalesforceより前から存在するものあります。予測分析は、マーケターにとって重要な課題となっていて、ぺガシステムズなどのベンダーは、CRMにその機能を導入してきました。

「今はIoTなどよりもAIが最優先です」とポムブリアント氏は語ります。また「IoTが成功する為には、高品質なAIの存在が不可欠です」とも発言しています。

新型Einsteinの機能は来月にもSalesforceのWinter ‘17リリースで利用可能となります。既存のライセンスの追加となる場合もあれば、追加料金がかかる場合もあります。更に、SalesforceはSalesforceの商品とエンジニアリングチームに、ディープラーニング、自然言語処理、コンピュータービジョンなどを専門にした新しい調査グループをすでに発足させています。

Katherine Noyes著、Infoworld掲載 (2016年9月19日)