フィンテックについて押さえておくべきポイント

フィンテック

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ビジネス界において必ずと言っていいほど取り上げられるフィンテックですが、この用語の意味を明確に理解していなければただの技術的な流行語になってしまう恐れがあります。また、フィンテックへの投資が2013年から2015年初頭までに40.5億ドルから122億ドルに増加したことを考えれば、理解する価値が十分にあることは明白です。

フィンテックは金融(Financial)とテクノロジー(technology)を合わせた言葉で、金融分野に関するあらゆるテクノロジーを指していますが、このこと自体は今さら驚くべきことではありません。より具体的な話をすれば、近年この言葉の勢いはますます増加しています。それはインターネット、スマートフォン、モバイルアプリケーションの急速な普及によるもので、こうしたデジタルテクノロジーが生活の多くの側面を破壊し、向上し、改革をもたらしました。これは金融サービス部門でも同様です。

フィンテックは、かつては金融機関が使用するPCやソフトウェアに厳格に制限されていたかもしれません。しかし今やフィンテックという用語の影響範囲はかなり広範囲にわたっています。 モバイル決済、暗号通貨、クラウドソーシング、ソーシャルメディアプラットフォームなどはフィンテック革命の一部です。またフィンテックが主導する新たな開発では、銀行だけでなく他の数多くの事業にも革新と破壊を促しています。

フィンテックの例

フィンテックが伝統的な作業方法に破壊をもたらしたケースで、最も知られているものの一つがモバイルバンキングです。信頼とセキュリティの問題のせいか、かつての消費者はどんなに小さな規模であってもスマートフォンからの取引に躊躇している節がありました。「もし端末が盗まれたらどうしよう?」「もしハッカーに自分のクレジットカードの詳細を盗まれたらどうしよう?」という疑念があったのです。

しかし今となっては、スマートフォンはフィンテック革命の最も重要な例の一つとなっています。モバイルバンキングによってより簡単、効率的な取引が可能となり、英国をはじめとする西洋諸国においては顧客満足体験の向上が見られました。しかし、それ以上にフィンテックが絶大な影響を及ぼしているのは、発展の遅い市場です。スマートフォンの登場により、銀行を利用できなかった個人でも、お金の送金や受取が可能となりました。この点でモバイルバンキングは、消費者に財務上の自立および管理能力の向上をもたらしたのです。

モバイルバンキングは、Apple PayやAndroid Payのような大手のものだけではありません。フィンテックのスタートアップはモバイルバンキングアプリケーションを立ち上げ、独自の機能を提供してより多くの既存ブランドとの差別化を図っています。 たとえば、英国に本拠を置くアプリ「Pennies」は、商品やサービスをカードで支払う際に、慈善事業に数ペンスを寄付するオプションを顧客に提供しています。ワンクリックするだけで購入額を切り上げ、増加分を慈善事業への寄付にまわせます。

他のスタートアップの多くは、デジタル技術を使い海外送金などのサービスを従来の競合他社よりもはるかに低いレートで提供しています。 つまりフィンテックは、通常では何世紀も続く組織のために確保されているスペースへの新規参入を可能にすることで、金融分野をより革新的なものへ拡大しました。これは単に 消費者に利便性を提供するだけでなく、ビジネス界における起業家精神を促進することでもあるのです。

ビットコインは、特に2013年のヘッドラインを握っている最中においては、破壊的な金融テクノロジーの一例という意味でおそらく最も有名なものだったと言えるでしょう。ビットコインの未来はモバイルバンキングほど明快ではないが、ビットコインおよび同様の暗号通貨が生み出している影響に関してはまだ注視しておく方が賢明でしょう。

ビットコインは自己規制性、透明性、匿名性を持っており、取引する上で銀行を経由しないため、多くの支持者を得ています。 スピード、使いやすさ、取引手数料の低さから、数多くの実店舗型およびオンライン型小売業者が通貨を受け入れ始めています。

モバイルバンキングと同様、ビットコインもこれまで正式な銀行部門から除外されてきた個人には大きな力となっています。 たとえば、女性の銀行口座開設が禁止されている社会に住む女性は、暗号通貨を利用することによって、他の方法では実現不可能な水準の財政的自立を獲得しています。

フィンテックはなぜ重要か?

フィンテックは特定の技術を指すものではないため、その影響はさまざまな業界、またビジネス市場、消費者市場双方で認識されています。 投資家の視点から見ると、フィンテックは企業の資金確保の方法に重大な変化をもたらしています。 デジタル技術によって実現されたソーシャルレンディングおよび株式クラウドファンディングは、代替投資資金を確保することでスタートアップの立ち上げを促し、また、中小企業の成長を促進させます。

銀行などの従来の投資オプションは、小規模な短期借入金には必ずしも適していないか、または単にリスクの高いビジネス提案を拒否かもしれません。 しかし、Avant Credit(アバント・クレジット)やSeedInvest(シード・インベスト)のような現代的な投資プラットフォームは、より柔軟な投資オプションを提供しています。 実際、Goldman Sachs(ゴールドマン・サックス)による最近の報告では、クラウドファンディングはフィンテックバーティカル市場最大の市場規模1.2兆ドルになる可能性があると言われています。

また、フィンテックは消費者の金融サービスに対する見方を変えました。消費者は、生活の他の側面と同様に、銀行業務や取引がシームレスかつ迅速安全であることを期待しています。 デジタル技術によって消費者が期待するものが変化し、不便さ、遅延、さらには取引手数料などはもはや財務の世界で受け入れられるとは考えられません。 こうした期待に応えることができない企業は、よりフットワークの軽い競合他社に追い越されるでしょう。

フィンテックの未来

何世紀にもわたって取引に対応してきた銀行に終わりを告げるのは時期尚早ですが、フィンテックには、より多くの人が関心を寄せ、認識を高めています。 銀行はもはや消費者取引や商取引の事実上の管理者ではありません。 フィンテックは、モバイルアプリ、暗号通貨、ソーシャルネットワーク(Facebookは今年初めに送金サービスを開始した)のいずれであっても、長年停滞の危機に瀕していた業界に革新をもたらしています。

2016年に関して言えば、「オールウェイズ・オン・エコノミー」や、「モノのインターネット(Internet of Things、IoT)」などの他の成長トレンドが引き続きフィンテックの成長を押し上げるでしょう。また、より多くの金融機関が、ビッグデータの力とフィンテックスタートアップおよび従来の銀行の連携を活用することを期待しています。

これから数か月、数年の間にさらなる革新と破壊が起きようとしているのは間違いありません。パートナーや顧客との関係維持のためには、各企業にとってこのフィンテック革命という名前の船への搭乗は必須なのです。

※本記事は以下の内容を翻訳・引用しています。
http://betanews.com/2016/10/14/fintech-breakdown/